縄張り図で見る戦国の城跡!御着城跡公園
御着城址公園のレポです。
国道2号線を北側に入ったところに御着城址の石碑があります。
この周辺が本丸とのこと。
ではどうやって御着城址公園を見てみるとよいのか、わかりやすい様に解説してみます。
↑まず公園の案内看板には2つの地図があるのでチェックしてみましょう。
2つとも現在の地図の上にかつての縄張り図を乗せたものです。
まずは1つ目。
姫路市史にある御着城跡縄張り推定図。
御着城の全体像をつかむことができます。
江戸時代の宝暦五年(1755))に描かれた【播州飾東郡府東御野庄御着茶臼山城地絵図】というものがありまして、これによれば、かつての御着城はまず本丸を囲む内堀があり、北東側に二の丸が隣接しており、その外側には3重の堀が描かれているとのこと。
また城の南西側は天川を天然の外堀として利用しており、この周辺の主要街道であった山陽道や城下町をすっぽり取り込んだ総構えの城という事が記載されているそうです。
絵図は御着城が廃城になってから数百年後に描かれたものですが、今に残る堀の遺構や昭和の発掘調査で、建物の礎石や瓦、そして井戸や石垣、土塁、内堀などの遺構が見つかっており、基本的な縄張りは絵図のものがほぼ信頼できるのではないかといわれています。
それらをもとに現在の住宅地図に落とし込んだのがこの図ですね。
これを見ると現在の城址公園周辺だけではなく、南西側に流れる天川に沿った巨大な城だったことがわかりますね。
↑そしてもうひとつの縄張り図がこれ。
現在の城址公園部分、つまりかつての本丸周辺の詳細地図です。
こういった地図だとわかりやすいですね。
これらの地図に沿って、かつての御着城を見てみましょう。
↑まずは公園の中にど〜んと建っているお城チックな建物。
これは姫路市東出張所。
かつての城跡ということで、このような建物にしたのでしょうか。
ちなみに御着城址公園の駐車場は、この姫路市東出張所の駐車場を利用させてもらえます。
あまり広くないですが、駐車場があるのは車で訪れた時に助かりますね。
↑公園をよく見てみると、周辺より一段高い場所にある事がわかります。
お城によくある事例ですが、本丸などの主要部分は、周辺より高くなっていることがよくあります。
この高低差は当時からのものでしょうか?
↑公園の隣りにあるグラウンドは、かつての御着城の二の丸といわれています。
現在では思いっきりグラウンドで、お城の遺構とかは残っていません。
↑公園内に建つ黒田官兵衛顕彰碑。
平成21年4月に姫路市教育委員会が建てたものです。
黒田官兵衛と御着城の事について書かれています。
この石碑の後ろに赤い木がありますよね?
これも意味があるんです。
よく見てみると…
↑なんと目薬の木!
2014年NHK大河ドラマでも描かれてしましたが、黒田官兵衛の祖父・重隆が、現在の姫路市街を一望できる広峯神社で暮らしていた時、この目薬の木から目薬を作って財を成したといわれている木です。
好古園のぺ―ジでも書きましたが、葉ではなく、木の皮を使って目薬を作るそうですが、黒田家の秘伝の薬だけあって、詳細な作り方はわかっていません。
ちなみに星薬科大学の研究によると、この目薬の木には、眼病の予防、視神経活性化、肝機能の改善などの効果があることが分かっており、単なる民間療法ではなく、医学的にも目に利く成分が含まれている事がわかっています。
でもなぜここに目薬の木があるのは謎です。
↑また姫路市東出張の西側には、黒田家の廟所があり官兵衛の祖父・重隆と生母のお墓があります。
この墓所は享和二年(1802)に九州から資材を運んで作られており、周りの石垣と墓を含む廟屋は昭和五十六年から姫路市の指定史跡になっています。
なぜ九州から資材が運ばれたかというと、江戸時代、黒田家は福岡藩主となっており、そのため九州から運ばれたのでしょう。
ココもお参りしておきたいですね。
↑そして姫路市東出張の裏側に江戸時代に天川に架けられていた天川橋が移築されていますが…
案内看板によると橋の中央下に窪みがありますが、この窪みはかつての御着城の堀の遺構とのこと。
橋も見事ですが、この堀の遺構もチェックしておきたいですね。
以上、かつての御着城を偲ぶことができる御着城址公園のレポでしたが、公園全体を見て周るのは30分ほどあれば十分でしょう。
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